2001/12/15 高原山チャレンジ登山 (岳友会事務所〜ミツモチ山)

 12月15日(土)
 ・高原山チャレンジ登山・岳友会事務所〜ミツモチ山
 ・稲葉、梅原
 ・コースタイム:梅原宅4:30−−4:55岳友会事務所5:00−−6:00長井りんご園−−6:30鱒池−−
   7:10寺山ダム7:15−−7:50七尋林道出会7:55−−9:00県民の
   森ミツモチ登山口(ここまで事務所から15km)9:10−−10:30ミツモチ1000m付近10:40−−11:20ミツモチ山頂
   (1248M)11:25−−12:30県民の森ミツモチ山登山口−−13:20七尋
   林道出会13:25−−14:30長井りんご園14:35−−15:35岳友会事務所(行動時間10時間35分・・・
   寺山ダムから上は雪でした。)

 ・朝4時前に起床し、4時30分に自宅を出発する。外は真っ暗だが外套の灯りが歩くには十分過
   ぎる明るさを与えてくれる。しかし、対向車対策でヘッドライトを点け歩き始める。途中のセー
   ブオンでおにぎりを3個購入したが、『これからどこへ行かれるのですか』『高原山へ』『それ
   じゃお手拭きを多めに入れましょう』と言ってくれた店員さんの言葉が妙に嬉しかった。4時
   55分、岳友会事務所で稲葉さんと合流する。稲葉さんは前日の10時過ぎに事務所に到着し泊
   まっていたのだった。
     朝5時ちょうど、予定通り歩き始める。『各々のペースで歩きましょう』と声を掛け合った後、
   矢板の町の中をゆっくりとしたペースで歩く。まだ真っ暗なのに新聞配達の人はもう仕事を始め、
   未明の町にそのバイクの音が響き渡る。泉街道を教習所手前で左に折れ、長井方面に向かうと人
   家はほとんどなくなるが星明かりだけでも何とか歩ける。スタートしてから1時間位で長井の中
   心部を通過するが休まずマイペースで先を目指す。長井を過ぎた辺りから東の空が明るくなり、
   オレンジ色の朝焼けが見られる様になる。またそのやや南には筑波山の姿も見る事ができた。鱒
   池(事務所から7km付近)まで約1時間30分、『このままだと登山口まで3時間30分位かな』
   と思った事が甘かった。車道はここから寺山ダムの登りに差し掛かるが、右膝が急に痛み出し歩
   くスピードが急速に落ちる。まだ2時間余りしか歩いていなかったが、舗装道路の衝撃が膝に思
   いの他、負担になった様だった。結局、右膝をかばいながら歩いた為、寺山ダム通過が7時10
   分(9.3Km地点)となったが、稲葉さんはそこで10分程、私が来るのを待っていてくれた。
   早くも足を引っ張る形となったが、膝が痛いのを隠す様にゆっくりと歩く。それまで、朝日に照
   らされていた道路も、寺山ダム付近から小雪がパラツキ初め、ダムの中程まで来ると急に激しい
   降雪へと変化した。ここで雨具を着込み、稲葉さんはプラブーツへと履き替える。ダムを越え、
   七尋林道の出会いが7時50分(11.8km地点)、この後も3kmの林道歩きが待っているが
   周りが木立に囲まれ、山に入ったなという気持ちがほんの少し気分を楽にしてくれた。しかし実
   際には足が付いていかずすぐに道の真ん中に座り込んで、握り飯をほうばる。この休憩で少しは
   マシになったのか、この先、高原林道から県民の森キャンプ場へは痛みも和らぎ、ゆっくりとし
   たペースながらも歩き通す事ができた。雪はひっきりなしに降り続け、まわりはどんどん白くな
   って行く。
     9時に県民の森キャンプ場から少し入った『ミツモチ登山口』に到着する。(14.8km地点)
   ここで朝食休憩として10分程休み、また積雪対策の為にスパッツを着ける。山道に入ってから
   膝に対する負担が軽減され、特に新雪がクッションとなってくれた様だった。しかしこの後も雪
   は降り続け、少しずつ少しずつ体力を奪って行く。もう1時間以上は登り続けているだろうが、
   何も考えずただ機械的に一歩一歩足を前に踏み出しているだけだった。『疲れたなあ』とはっき
   り感じ、雪の中に座り込む。時計を見るともう10時30分を回っている。ザックをごそごそ探
   っていたが、急に我に帰る・・・。『登らなきゃ』そう思い始めてからは、膝の痛みも疲れもど
   こかに吹き飛んでしまった様だった。10分、いや5分位だっただろうか?その『休息』がまた
   新たなエネルギーを吹き込んでくれた様だった。そこからは一定のペースで極めて快調に足が出
   る。・・・やがて稲葉さんの後姿を捉える事ができ、それが段々大きくなり、最後は追い抜いて
   しまった。稲葉さんも最後の登りは相当疲れている様だった。
     11時20分、ミツモチ山の頂上に着く。相変わらず雪は降り続けているが、晴れ晴れとした
   気分だった。早速、携帯で会長に電話を入れる。『もうそこまでで帰って来い!』『ハイ!』妙
   に素直に助言を受け入れていた。いや、もうこれ以上進んで戻る力は残っていなかったのかもし
   れない。あとは『何としてでも自分の力で戻る』事だけだった。
     11時25分、下山を開始して、1時間余りでミツモチ下山口に到着、休みも取らず後は林道
   をまっしぐらに下る、下る、下る。いつしか右膝の痛みは全く消えており、結局、長井まで2時
   間余りで下る。ここで一息付き、15時35分、スタートから11時間余りで岳友会事務所に到
   着した。『もう歩きたくない!』と思ったが、それから数時間後の宴席では『次は必ず釈迦ケ岳
   の頂上まで行く』に変っていた。
   (途中、携帯に電話を入れ励まして下さった皆様、ありがとうございました。)  m(__)m